物価高の波が押し寄せる昨今、それはバターだって例外じゃない。
12月にもバターが値上がるという話だから、ちょっと買っていこうかな。
どれにしよう…ん?
『エシレバター』?
あんまり聞いたことないバターだけど…って100グラム税込1,125円‼ た、高い~!
なんでこんなに値が張るのかとスマホで調べてみると、ふむふむ…最高品質の牛乳と塩を使用したおフランス産…クリームを乳酸発酵させた珍しい製造方法…英国王室やフランス大統領府も御用達の逸品…なるほど、とにかく凄いバターだという事は分かりました。
しかし、高い!いつも買っているバターの比じゃないもんなぁ…物事には分相応っていうのがあって私はやっぱり雪印を…いや待てよ…
一食のおかずをエシレバターと醤油だけにしたら、食費あんがい安くね⁉
エシレバター醤油ごはんなら、エンゲル係数を抑える事が出来るんじゃね⁉
これは、我勝てり!
という訳で高級バターをカゴに入れ、バブル全盛期の浅野温子ばりに髪をかき上げながら意気揚々とレジを通ります。
・調理開始(コマンセ)
それでは、どこの家にも一台はある兵式飯盒でごはんを炊いていきましょう。
お米をショキショキ研いで、30分ほどつけ置きして水を吸わせたら
コンロに掛けて、中火でひと煮立ち。シュッシュと蒸気が吹き出たら弱火にして、飯盒から香ばしい匂いがしてきたな~と思ったら火を止めます。
そーしたら10分ほど蒸らしましょう。
・君の名は(トンノン)
ところでエシレバターってなんだかカッコいい名前だけど、その名の由来はフランスのエシレ村で生産しているバターだからエシレバターというチョ~安直さ。つまり愛知県の岡田美里町で作ったら岡田美里バターで、京都府の田中春菜町だったら田中春菜バターで、島根県だったら中野美保バター、徳島県の美郷恵美子バター…ってなんだか国道沿いのスナックのママが手作りしたバターみたいになっちゃうなぁ。
アチチ!
う~ん、ツヤツヤふっくらイイ感じ!
・盛りつけ(ドレッセ)
では、熱々ごはんをお茶碗によそいまして…
エシレバターへ大胆に箸を突き立てて…こうグイグイと大きめに切り分けまして…
ごはんの上にエイッ!
醤油をツツ~ッ!
ホカホカごはんの熱でバターを溶かしながら混ぜていくのですが、ここから注意が必要です。
それはバターを綺麗に溶かしてごはんと混ぜるのではなく、溶け切らない固形の部分も残しておくこと。口の中に入ってから溶けていくバターが、これまたイ~イ仕事をするのです。
・実食(ボナペティ~)
お茶碗を口に持っていくと、いい香り~。あとは無心にジャパニーズスタイルでかっ込むべし!カチャカチャ…ハフハフ…モグモグ…
お、美味しい~っ!
最初は卵かけごはんのような旨味が口に広がりますが、追っかけチョ~濃厚な脂の甘味とごはんの甘味が押し寄せてきて、そこにヨーグルトのような酸味も加わって口の中がワチャワチャしてもう大変!バターと醤油とごはんだけでこの複雑な味わいになるとは…ホ~…ちょっと恍惚としてしまうくらいです。
気がつけばお茶碗は空になり、ソッコー2杯目に取り掛かる事となるでしょう。あ、飯盒のごはんはくれぐれも冷やさないようにね。
しかし流石にバターの濃厚が過ぎるので、お味噌汁やぬか漬けでお口をリフレッシュさせながら食べるのが吉。そうすれば、もう何杯だって食べれちゃう。
フ~、ごちそうさまでしたー。
ぜひ皆さまもエシレバターを手に入れて、仏作って魂を入れたエシレバター醤油ごはんを試してみてくださいね。ホントに美味しくて、マジ鬼セシボンですから。
しかしフランスの人達もまさか自国のバターが、ごはんに乗せられ醤油をかけられているなんて思ってもいないでしょうね~…これがホントの知らぬが仏。なんちって!