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ドカッとドコ行こう

略して ドカドコ!

【温泉まんじゅう】野沢温泉に行ったら揚げた饅頭を食べる理由

 

出湯の里に温泉郷、名湯秘湯に隠し湯と日本に温泉は数多あるが、市町村名に温泉がついているのは野沢温泉村だけである。

▲歴史ある名湯の地「野沢温泉

野沢温泉奈良時代の開湯ともいわれており、今からから数えると…1000えっと…ちゅーちゅーたこ…その…とにかくメチャメチャ昔なのである。

▲宿泊客の布団が干される宿(おねしょではない)

村内には自然湧出の源泉が多くあり、13の外湯を含め沢山の宿が軒を連ねる温泉街が広がる。

その名湯を堪能すべく日本全国のみならず、海外からも老若男女が訪れる有名温泉地であり、かつ観光地でもあるのだ。

野沢の名を冠した野沢菜漬』はこの地の名産品であり、野沢温泉に行った事がないという人でも、1度は口にした事があるのではないだろうか。

▲加工品だって十分美味しいのだけれど

聞いたところによると、冬に野沢で食事に出された野沢菜漬を食べ、そのあまりの美味しさに驚いてさっそく加工品をお土産に購入し、地元に戻り食べてみると野沢で食べた物とまったく味が違うのでクレームを入れた観光客がいたとか。

それくらい地元で食べる野沢菜漬は格別で美味しいと言われているのだから、ぜひ旬である冬に野沢を訪れ味わっていただきたい。。

▲熱気ムンムン湯気モウモウ

温泉街をそぞろ歩けば、やたらと湯けむりが立ち込める場所に辿りつくだろう。

野沢温泉のシンボルでもある『麻釜』だ。

▲熱湯で危険です(棒)

国の天然記念物であるこの源泉の正式名称は「麻釜熱湯湧泉」と、なにやら男塾名物の様な物々しさ。なにしろ100度近い熱湯が毎分500リットルの勢いで湧き出る激熱スポットなのだ。これにはさしもの富樫も「いい湯だったぜ」じゃ済まないだろう。

アチチッ!!

この滾るエネルギーをぶつけるのは、もちろんアレしかない!

▲20分くらいで出来上がり

というワケで、温泉の熱を利用して「温泉玉子」を作ることだって出来ちゃう。

当然ながら激ウマだ。

inakakaoru.hatenablog.com

 

そんな名物の「野沢菜漬」や「温泉玉子」を差し置いて野沢温泉で是非とも味わって貰いたものが、何を隠そう温泉饅頭だ。

▲創業明治37年の老舗店フキヤ

温泉地に饅頭は付き物だが、野沢温泉にも饅頭屋が数軒ありどれも美味い。

その中でも、まず名前が挙がるのが『フキヤの温泉饅頭いや『温泉まんぢう』だろう。

フキヤが販売している饅頭は、栗が入った『栗入り温泉まんぢう』と粒あんの薄皮タイプである『田舎まんぢう』もあるが、ノーマルな『温泉まんぢう』一択である。

▲"ぢう"の発音は水滸伝宋江のあだ名「及時雨」の "じう" だ

オーダーする時は是非、しっかり「まんぢう」と発音をしよう。それが郷に入れば郷に従え、他の土地を訪れた際のエチケットというものではないだろうか。口角を横に広げて…ぢう。リピートアフタミー。ぢう。

ふと店舗の対面を見ると、そこにフキヤまんぢう製造工場があった。

蒸しては運び店頭で販売するという、いわゆる「スープが冷めない距離」ならぬ「まんぢうが冷めない距離」であり、まさに親子関係もまんぢうも調度いい距離が心地いいという昨今の事情を理解させくれる。

▲富貴屋と書いてフキヤだった

まんぢう、ゲットしたぞ。

包装紙のイラストはなんだかコロッケやドンタコスっぽいが、中身は紛れもなく温泉まんぢうだ。

そしてこれが「野沢」でも「フキヤ」でもなく、「温泉」とだけ刻印された清々しいまでに潔い温泉まんぢうの姿である。

▲うまい、うますぎる。十万石まん…もとい温泉まんぢう

モグモグ…う~ん、しみじみ美味い。

自家製のきめ細かいこし餡も美味いが、卵をたっぷり使った皮が美味い。クンクン…あと温泉の匂いなのか、この独特の香りもイイ…。

ところがこの美味しい温泉まんぢうを、さらに美味しく、いやもはや別次元のスイーツとして提供している所があるというではないか。

そんな馬鹿な…すでに一つの到達点にあるこの温泉まんぢうを…一体どんな魔改造を施してネクストステージに上げたというのか…これは急ぎ確かめに行かなければ!


膝に括りつけたマグロ味付フレークはごろも煮の空き缶からハングオンで火花を散らしながら、法定速度内でやって来たのはまた野沢温泉村

いや、今度は村内ではなく…

野沢温泉村内からはちと遠い…

国道117号線沿いにある、道の駅『野沢温泉村だ。

道の駅の設置者は地方自治体…つまり野沢温泉が公式に、温泉まんぢうのチューンナップを行っているということになる。まさか…違法改造をしているなんてことは…

ところで饅頭の違法改造ってなんだ…

▲オーダーは券売機ではなく、店員さんへ口頭で

そんな事を考えていたら、急に目の前に見覚えのある「温泉」の文字が。

これはフキヤの温泉まんぢう…いや待って…色がすこし違う…まるでライディングジャケットとグローブの間に隙間があり、走行中に陽が当たってそこだけ腕時計状に日焼けをしてしまう通称「コゲックス」の様な茶色…これは

揚げ饅頭!いやさ揚げまんぢう‼

油でカリッといと揚がりけり~!

そして揚げまんぢうが乗っかているのは、野沢菜ふりかけが掛かった長門牧場のソフトクリーム…その名も『まんじゅう菜ソフト』だって?

こ、こんな夏休みが明けたら金髪になって登校してきたような変貌ぶりの温泉まんぢう…一体どんな味がするというのか…

カリ…モチモチ…激ウマー!

揚げた温泉まんぢうって、この世の食べ物の中で一番美味いんじゃないのかってくらい美味しい‼

これは…ちょっと頭がクラクラするくらいだ。

▲犯罪的悪魔的美味さ

もともと長門牧場のソフトクリームってすっごく美味しいんだけれど、熱々の揚げまんぢうがトロトロに溶かした部分のクリームの食感がこう…そこに油とあんこの甘味が加わって…なんだか野沢菜ふりかけの塩味も加わり…もうごちゃまぜでなんだかよく分からない美味さ‼ 世界よ、これが日本の多様性だ!

野沢温泉に行った際は、ぜひ確かめてみて欲しい。

温泉まんぢうがネクストステージに上がった…いや揚がった姿を!