「生きるもの全てに春は来る。希望を持つことだ」
スネークが言った通り、ここ信州にも春がやってきました。
やった~!
バイクのエンジンへ久しぶりに火を入れるのですが、ほぼ半年ぶりの始動はなんだか緊張するものです…動くかなぁ…ドキドキ
それでは…イグニッション!
ドカドカドカッ!!
点火しましたーっ!
ドロドロドロドロ…
近所迷惑ですーっ!
・今年の走り始め
というわけで無事エンジンがかかり、今年の走り初めに向かったのがここ、長野県塩尻市の 「洗馬」 なのでした。
ちょっぴり野暮用があったのです。
"駅" の旧字体がカッコイイ~。
「せば」と読むんですよ。
地名の由来は "朝日将軍" 木曽義仲が、家臣に馬の足を洗って貰った場所なんだからですって。でも…もし髪を洗って貰っていたら洗髪、服を洗って貰手いたら洗濯…なわけないか。
ちょうど長野色の211系が到着しました。
車体カラーの、ブルーのグラデーションが超クール!
洗馬駅は無人駅で、一日の平均乗車数は100人もないとのこと。
この時も、駅に居たのは私一人。ロンリー…
バック・ミラーが 映し出す 蒼い傷跡 memories…♬
『超攻速ガルビオン』の "ロンリー・チェイサー" を口ずさみながら、駅を後にしたのでした。
久しぶりにバイクに乗ると「楽し~い!」と思うのと同時に「おっかな~い‼」とも正直思います。
無事故で帰ることがバイク乗りの必須スキル。あとは無違反、無立ちごけ、無エンスト、無ウインカー消し忘れ…とにかく安全運転祈願に行きたくなりました。
聞けば筑北村に、長野県下初の『オートバイ神社』があるそう。
さっそく出発です!
・疫病退散!
長野市は県庁所在地とはいえ、合併により多くの山間地区も有しているんですよ。
ヤッホ~!
実は大岡地区を通ったのは、『芦ノ尻 道祖神』にどうしてもお参りをしたかったからなのでした。
大岡の『藁製神面装飾道祖神』です。大迫力!高さは1.5mくらいあります。
装飾という名の通り、実は道祖神本体はこの藁で作られた神面に覆われているんです。長野県の無形民俗文化財なんですよ。
毎年 "どんど焼き" で燃やされ、また作られ、その年ごとに表情の変化があるのです。
その昔、村々で病が流行った時に、村境に道祖神を建立して祀り、悪霊を払ったといわれています。
それでは謹んでお参りを。
「どうか国内で、世界で流行している感染症が早く治まりますように」
これでよし!
大岡から筑北村は目と鼻の先です。
・あたしゃ神様だよ
以前、筑北村の『食事処 まる木屋』さんでお昼をいただいた事がありました。
手打ち蕎麦おいしかった~。
なんでも筑北村は山岳内陸型という気候だそうで、お蕎麦の栽培に適した土地なんですって。
その蕎麦の実を使っているんだから、そりゃァ美味しいに決まってます。
頼んだお蕎麦がテーブルに運ばれ、勇んで蕎麦を口に運んだ瞬間、店内に革ツナギのおじいさんライダーが入ってきました。
「外のバイク、あなたの?」
と唐突にそのライダーが話しかけてきたので
「ズルズル…そうでっす…モグモグ」
とお蕎麦をすすりながら答えると
「ドカか…若いのに苦労するねぇ」
とつぶやき、自分もお蕎麦を頼んで、スゴイ速さで平らげ出て行ってしまいました。
「苦労って…最近忙しかったから肌が荒れてたかな」
と鏡を見てから、カウンターでお会計を済まそうとすると
なんとさっきのおじいさんライダー、もとい紳士が払ってくれていると言うではありませんか。
えーっ⁉ ツーリング先で、自販機横のベンチに座っているとジュースを貰ったり、畑の横で地図を確認していたら果物を貰った等の経験はいっぱいあるけれど…食事を奢って貰ったのは初めてでした。もしかして…もしかしてだけど…さっきの方は、バイクの神様だったのかも。
だって、ここは
オートバイ神社『修那羅山安宮神社(しょならさんやすみやじんじゃ)』がある、筑北村なんだから。
・オートバイ神社に参拝(山道)
県道から神社までは2キロほど。車の擦れ違いも難しい箇所を含めた、カーブも多い山道を登ります。
春や秋は砂や落ち葉、水たまりなど路面のコンディションにも注意が必要。交通安全祈願へ行ったのに、事故にあわないよう気をつけて。
着きました~!
小雨が降り風も強いからか、駐車場にはバイクの姿はありません。せっかく広いバイク専用駐車場があるのに…
というか、人っ子一人いません。
ここ修那羅山安宮神社の境内には、石仏や石神、木神が1000体ほど奉納されているそうです。
全国的にも珍しくて、パワースポットとしても有名なんですって。
・お社に参拝(さらに山道)
人気のない山中は、なんだか得も言われぬ恐ろしさ。
強風が森を抜け…木立が大きく共鳴し合って…こ、怖ーい!
お社が見えてくると、ほっと一息。胸をなでおろします。
神社の創建は江戸時代末期。創建者は最後の修験者といわれる "修那羅大天武命" という方で、とっても神通広大の方だったみたい。
ここの神社は2019年6月に、日本二輪車文化協会よりオートバイ神社として公式認定されたんですって。
全国では4番目の認定で、ちなみに1番目が島根県、2番目が広島県、3番目が香川県だそう。オートバイ神社は宗教的目的ではなく、ツーリングの拠点として機能したり、地域貢献をしたいとの考えなんですって。えらい。
ガラガラガラッ
「神様、どうか贅沢は言いませんから、全国のバイク乗りが週末は天気に恵まれ、無事故・無違反・無立ちゴケ、少し肌寒くても道の駅でソフトクリームを食べれるくらいの健康体で過ごせますように…かしこみかしこみ」
お参り完了!
ん?
"芳名帳"?
なるほど、参拝したら名前を書くのか。
田舎…カヲルと…
それでは木札もいただきまーす。
・とんでもねぇ。あたしゃ神様だよ
お札やお守りも売っているみたいだけど、人の気配がしませんね。
おーい、誰かー。
「ニャ~」
流石はオートバイ神社というだけあって、境内にバイクがあります。
神主さんの所有物なのかなぁ。
「ニャ~」
「ニャ~!」
わーっ‼ ビックリしたーっ!
い、いつの間に。
「ニャ~」
しかし…
「ニャ~」
これは…
「ニャ~」
いったい…
めちゃんこ人懐っこい猫です。
カワイイ~!
歓迎してくれていたのかな。
また来るね。
結局、石段の下まで降り見送ってくれて、昇って帰っていきました。ありがと~。
神社さんの飼い猫なのかなぁ。可愛らしい…いや…待てよ…もしかしたら…
バイクの神様だったんじゃない⁉