10数年前にお伺いさせていただいた時もカウンターに座ったのですが、店主さんが「いらっしゃ~い」と言って水道から直接コップにお水を入れて、お冷を出してくれたのでした。
ぬるかった。
本当に久しぶりにおじゃましましたが「いらっしゃ~い」と今回は、"いきなり!ステーキ" のソース入れみたいなポットからお冷をいただきました。
やっぱりぬるかった。
でもそれがいいんです!平成から令和の世に時代が変わりましたが、変わらないものがあってもいい…でもここはどちらかというと昭和のテイストですが。
バイクで年に数回は通る道なのですが、ずいぶんのご無沙汰となってしまいました。それには事情がありまして…
十年一昔といいますが、あの頃は何をしていたんだろう…
「ああ、お前は今まで 何を してきたんだと 風に ふと問われた」
"魁‼ 男塾" のオープニング主題歌を口ずさみながらラーメンを待ちます。そういえば、主人公の名前も桃太郎でしたね。
来ましたー!その名も「熊本ラーメン」。桃太郎さんで一番スタンダードな一品となっております。
うーん、ニンニクの香りが鼻孔をくすぐり、基本茶色の武骨ないろどり構成にネギや茎わかめの緑が映えて…ズルズル…ハフハフ…モグモグ…美味しーい)^o^(
実はですね…始めて桃太郎さんに入った時に、この小上がりスペースに複数のおじ様達がお酒をたしなんでいて、まだ若輩だった私はその喧噪ぶりに驚いてしまったのでした。
例えるとですね…
テンガロンハットをかぶったクリントイーストウッドがスイングドア、いわゆるウエスタンドアを押し開けて酒場に入ると、隅のテーブルに麦わら帽子とポンチョ姿のメキシコの方たちが数人。さっきまでお酒を飲んで笑い合っていたのに、ピタリと静かになりグラス越しにこちらを見ています。イーストウッドが店主にお酒を頼むと奥から「おい、オメーにはミルクがお似合いだぜ。」「グヘヘへ、違ぇねえ。」「帰ってママのおっぱいでも吸ってるんだな!」なんて事はまったく無かったのですが、こんな風に感じたくらいのカルチャーショックだったのでした。お酒を飲まない家庭に育ったのも原因だとは思うのですが…若かった。こんな事で美味しいラーメン屋から足が遠のいていたなんて、お恥ずかしい。
久しぶりに来て良かったです。ラーメンは変わらず美味しかったー!
・世直し?いつもの事ですけど?
青木村の『みちの駅 あおき』では、お蕎麦や果物、キノコなど豊富に採れる山の幸を購入することができます。
そして駐車場前には、村のマスコットキャラクターの "アオキノコちゃん" 立像がそびえ立っています。
キノコちゃんは青木村役場建設産業課商工観光係臨時職員であり、趣味は森林浴。嫌いなものは毒キノコ。特技は自生であります。
羽織る法被の背中には凛々しく "義民" の文字が!
「夕立と騒動は青木から来る」
と統治する上田藩がブルっちゃうほど、世直し一揆が頻発した土地なのです。困っている人たちがいたら、黙っちゃいられないのです!六分の侠気、四分の熱なのです!
それが今では徳利片手にこのエビス顔。
おっとっとっと、こぼれますこぼれます。ルネッサーンス!
ダハハハッ。でかい酒甕を抱えてご満悦。もう離さないぞっ。
って酒ばっかりやないかーい!
桃太郎の小上がりといい、この石仏といい、義民の方々はお酒がお好きなのでしょうか。甕に夢って書いてあるし。
・あ…あれは…く、国宝!
と、いい感じで出来上がっている羅漢様の石仏群から視線を移しますと、その先には青木村が誇ります『大法寺』さんがあるじゃないですか。
創立は奈良時代の大宝年間。
1300年以上前ですよ!
墾田永年私財法ですよ!
十年一昔なんて言っている場合じゃありません。
そして国宝の三重塔。別名 "見返の塔" です。
建立は鎌倉時代の正慶二年。
800年以上前ですよ!
御成敗式目ですよ!
あまりの美しさに人々が何度も振り返り仰ぎ見たという傑作三重塔です。高い建築物が少ない時代ですから、みんなビックリしたでしょうね。
作は大阪四天王寺大工四郎さん他7名の大工さん。
はるばる招聘されたとのことですが、道の悪いところ信州によく来てくださいました。あなたがたも、立派な義民ですよ!
それにしてもこの精巧な作り、技術の結晶。加えて芸術的センスが見事に昇華された塔の姿を見てください。これは、神がかっていますねぇ。
職人さん達はお酒をたくさん飲むイメージですけど、日が暮れるまで全力で仕事をした後で、お酒を飲みながら皆で仕事について談論風発。ワーワー言いながら、互いに考えを出し合い、良い仕事を追求していったのではないでしょうか。楽しそう。
お酒を飲んで自己開放。一旦リセットしてからまた、新たな気持ちでクリエイティブに仕事へ取り組む。鎌倉時代も令和時代も、昔も今も変わらないことでしょう。
でも、時には生活を振り返って、なにより体は労って。週に2回は休肝日を持つようにしましょう。ね。
そんな顔しない!