車やバイク、リズムに調子にと、何かに乗るのは好きだけど、電車の乗るのだって大好きなのです。
誰かが敷いたレールに乗るのも、時にはイイじゃない。
改札口って、学生時代とかフツーに通っていたけれど、今はホント時々しか使わないから、通る時に迫りくる謎の緊張。なぜか息を止めて通り抜けるのです。
(ピピッ!チャッ)
フ~。
「よってこっさ!湊町直江津」
そうなんでっさ、直江津、今から寄っていこうというのでっさ。
おはようございます‼ カヲルです!
朝夕は少し涼しくて、過ごしやすい季節となりましたね。
本日は新潟県上越市の歴史ある港町「直江津」に、ふらり途中下車させていただきます。
直江津という地名から、愛の戦士として有名な戦国武将「直江兼続」の出身地かと思いきや、あまり縁がある土地ではないそうです。
兼続さんが養子に入った直江家が、この土地由来のお家だとかいう話っぽくて…その…マスオさん的な?
ちなみに兼続さんの出身地は、同じ新潟県の南魚沼という所なのでした。
「わしはこんなとこ、来とうはなかった」なんて言わないで、直江津でなにか美味しいものでも食べましょう。
駅弁が駅構内ではなく、別建物で売られていました。
駅弁、つまり鉄道弁当なのに、ドライブスルーとは面妖な。
日本海は、もうすぐそこ。
その昔、父は末っ子だった私を車に乗せて、日本海太平洋どちらへだって、夏になるとよく海釣りに連れて行ってくれました。
母や姉たちを家に置いてけぼりにしちゃうのは、父が家にある車から2シーターを選んで出掛けるから。
私は「大きい車で家族一緒に、ワイワイ出掛ければいいじゃん」と考えるワケなので、あるとき父に尋ねると「たまには運転手じゃなくて操縦者になりたいんだよ」みたいな返答だったと思うのですが、当時の私はそんな答えじゃ納得せず、"天平時代の仏像" 顔負けの仏頂面をかまします。
そのため、私の機嫌取りに父が買ったお菓子やジュースを手に、なんとか "白鳳時代の仏像" くらいになって助手席に収まっていたのでした。
釣りは朝から始めるので、朝食は母が作ったおにぎりを防波堤で食べ、昼食は現地で購入したお弁当などを食べるのが決まり事でした。
海は陽を遮る物がないので、一日で耳の先の皮がムケちゃうくらい、真っ黒に日焼けをしたものでした。
『あかねちゃん弁当 直江津店』
なんだかとっても良い雰囲気のお店です。
そうそう、父はコンビニ弁当ではなく、その土地にある弁当屋や仕出し屋のお弁当を好んで買っていたっけ。
なに食べようかなぁ…。
とんかつ弁当が370円か。
から揚げ弁当も370円で、のり弁当が390円と…ん?
のり弁って、その店舗で一番安いメニューだと思っていたのですが、考えを改めなくちゃいけないみたいです。
いろいろ悩んだ末に…
「のり弁くださーい」
「揚げ物に10分くらい掛かるよ」
とおばちゃんに言われたので、軒先でしばし待たせていただきます。
お弁当は、父は決まって幕の内でした。私はカレーやオムライスをチョイスしてご満悦ですが、父が横から幕の内の様々なおかずを乗せてくるので、「も~、なんなの⁉ 好き嫌いの多い大人だな」と思っていました。今にして思えば、私の栄養バランスに気を配っていたのでしょうね。
アチチ‼ 熱々です!
包装に「あかねちゃんチェーン」とありますが、「あかねちゃん弁当」はここ直江津店しかないみたい。昔はそこかしこに沢山あったのかしら。
のり弁のおかずはきんぴらに茄子の浅漬け、ちくわ天に白身魚のフライ。
もちろん揚げたてのサクサクです。
そして "のり" 弁なのですから、主役はやっぱり海苔の部分。
実は「二重のり」でお願いしたので、海苔の下には "おかか" と "昆布の佃煮" が敷かれているという豪華バージョン。米どころ新潟のお米と合わせて…ハフハフ…モグモグ…
美味し~い!
ごちそうさまでした。
直江津で美コト味しいお弁当を食べてお腹を満たし、図らずも遠い夏の思い出に胸も満たされるコトとなりました。
夏はまだもうちょっと残っています。ぜひ電車でも車でも、バイクでもチャリでも乗って旅に出て、心の夏の思い出をなぞってみるのも良いと思いますよ。
どうぞよい旅とお弁当を。
なお、父はピンピンしていて、例の2シーターもまだ大切に乗っているのでした。