『島と大地の実り』とか『ポカリスエット ステビア』とか、いまだに売ってそうな店内です。
・朝の気温は6℃おはようございまーす。
長野の朝寒のみぎりは、時候の挨拶でもなんでもなくリアルにみぎりってます。
寒~い!
冬がそこまで来て…ではなく、すでにやって来て家に上がりこみ、勝手に卒業アルバムを見ているくらい親密な状況になったといっていいでしょう。
路面凍結は怖いけど、山間部を走らなければ朝早く出掛けてもまだまだ大丈夫‼ のはず!
でも寒い時期のツーリングは、栄養補給がチョー大切。寒風がドンドン体力を奪ていきますからね。朝早くにご飯を食べさせてくれるところ、ないかなぁ…
「なにか悩んでいるようだね。夜はちゃんと眠れているかい?ところで眠れないときに羊を数えるだろう?みんな一匹で数えているけど、あれは本当は一頭で数えるもんじゃないのかな。それを考えていたら、昨夜は眠れなかったよ。羊の奴ら~、ハハハ」
⁉ その声は… 奥様が就寝中の早朝に気づかれないようバイクで自宅を脱出し、結局はツーリングを楽しみ過ぎて昼頃に帰宅し、その後に庭の手入れなど重労働を課せられる " バイクモーニング親父。" こと荒川さんじゃないですか!
「朝食を食べさせてくれる店を知らないかだって?」
「そうなんです。贅沢は言わないので、座って暖かい食べ物を食させてくれるだけでいいんです。そして食事は美味しくて、栄養価が高くて、値段はお手頃で、フリーWi-Fiで、トイレはウォシュレットで…」
「ずいぶん贅沢を言っているとは思うけど…朝の7時から美味しいご飯を食べさせてくれる食堂なら知っているよ。どうだい?今週末、一緒に朝駆けといこうじゃないか」
「ホントですか⁉ やったー!」
「6時30分に集合しよう。寝坊しないようにね」
「早く寝ます!羊が1棹、羊が2棹…」
「箪笥の数え方だね、それは」
・寒い時期のツーリングには注意が必要ということで週末の早朝、高速のパーキングエリアで合流です。
さむ~い!寒風を切り裂いて長時間走るには、お互いにつらいネイキッドバイクです。
ここはひとまず
『RAIZIN HARD GINGER』でファーストエナジーチャージをしておきましょう。
生姜は体を温めるといいますからね。ゴクゴク。でもブルブル。
綿入りのグローブをしてきてよかったぁ。
冬季に使用している『KETT』のグローブとも、長い付き合いになります。
このグローブ、入り口付近にジッパーがありまして、開けると…
ジャーン!
グローブカバーが入ってまーす。
これでハイウエイを飛ばしている時の急な雨でも、グローブを濡らして冷たい思いをすることはありません。やったぜ!
装着しているヒマないけど…
荒川さんは『RAIZIN FRUITIY THUNDER』を飲んでますね。
でも、寒い時期の水分補給は諸刃の剣。走行中、寒さによる利尿作用でトイレに行きたくなり休憩 ⇨ コーヒーを飲み暖まり出発 ⇨ すぐさまトイレに行きたくなり休憩 ⇨ コーヒーを飲み暖まり出発 ⇨ すぐさまトイレに…という負のスパイラルに陥る恐れがあるからです。
そういえば幼少の頃、先生に「なんで子どもはお酒を飲んじゃいけないの?」と尋ねると、「ビールとかお酒はな、利尿作用というのがあってだな、オシッコに行きたくなってしまうんだ。お前たち、45分の授業のあいだ我慢してられるか?トイレに行きたいなんて言ったら、先生指さして笑うぞ。それでもいいのか?子どもは黙って甘い物でも食べてろ」と恩師に説明を受けなんだか納得してしまい、好きだったドラ焼きやお饅頭でいいやと思ったものでした。仰げば 尊し 和菓子の恩…なんちって。
「おーい、出発するよー」
・もはや木曽街道の名所「お疲れさま。さあ、着いたよ」
「こ、ここは…」
「長野県塩尻市、国道19号線"木曽街道"沿いにある『食堂SS』じゃないですか!」
「ほう、知ってたのかい?」
「木曽路を行き交う車だろうがバイクだろうが、自転車だろうがセグウェイだろうが、この店を気にしない人はいないのではないでしょうか。いや、いない!」
「セグウェイによる公道走行はダメだよ」
「だから昨年、お盆休みの時に来たことがあるんです」
「お店もお盆休みでした…」
「それは残念だったね…」
「ベンチで一人、コーラ飲みました…」
「気の毒に…さあ入店しよう」
・メニューの種類は100種類以上「まさかここでご飯を食べれるなんて…ネイキッドの自分が」
「駐車場も広いし、木曽街道を利用するトラックの運転手さん達も有難いだろうね」
「陽が燦々と入る店内はポカポカ~。それ以上に店内から温もりを感じますねぇ。寒風の中、走り着いてよかった。身も心も温めて貰えるなんて…ネイキッドの自分が」
「昭和生まれの人には、もはやアミューズメントなんだよ、この空間は。なんだか懐かしいんだよね」
「すごいメニューの数!これは、選ぶのに時間がかかっちゃう。でも嬉しいな…こんなに選択肢をいただけるなんて…ネイキッドの自分が」
「あの…カヲルくん、さっきからネイキッドがどうとか言っているけど…いったい」
「え?だって食堂SSの "SS" はスーパースポーツ…」
「SS乗りしか利用できない食堂じゃないよ、ここは。だいたいSS専門の食堂なんてあったら行ってみたいよ、むしろ」
「な~んだ、それならそうと、早く言ってくださいよ~。おばちゃん、お冷じゃなくて熱いお茶をくださ~い!」
「急に元気が出てきたね」
荒川さんは『普通定食』をチョイス。
ホカホカご飯にお味噌汁、冷奴にお新香と、サバの味噌煮。これは美味しそう!
「そうそう、食堂SSの "SS" の意味なんだけどね…」
「あ、私のが来ましたよ!」
私は『とん汁定食』を頼みました。
100円アップするだけでお味噌汁がとん汁になるのですから、選ばない手はないですよね。いただきま~す!
「SSは "サービスステーション" を意味しているのではないか、とか "サービス" と "スピード" ではないか、などと様々な憶測が飛び交っているのだけれど…」
「ハフハフ…なるほど…モグモグ」
「どうやら創業者の "佐藤 進" さんという方のイニシャルだというのが有力情報で…」
「モグモグ…あーなるほど…ハフハフ」
ごちそう様でした!美味しかった~。
「『絶メシ』…?」
「テレビドラマのロケ地にもなったようだね」
「いやはや、つくづく末永く続いて貰いたいお店ですよねえ」
「まったく同感だね」
ありがとう、食堂SS。
必ずまた来るよ、食堂SS。
その時も、ネイキッドで。
「そっちはトイレだよ。出口はこっち」
スミマセ~ン。