▲道幅2.2メートル
特攻野郎Aチームのコングが乗っていた、あの大きなバンの "GMCパンデューラ" だって車幅は2.1メートルくらいなんだから、この道は計算上たいていの車が通れるハズ。
でも…すごく狭く感じますねぇ…
「では、ボクから通らせていただくよ」
空冷4発ナナハンの素晴らしい音を響かせて、CB乗りの荒川さんが走って行きました。
続いて私も通ります。短い距離なのですが、放水の轟音がコンクリートに反響して何かドキドキ。対岸に到着すると、凄いコトを成し遂げた気分でなんだか不思議。
いい一日になりそう!
▲ときどき鮭も遡上してきます
おはようございま~す。
ここは長野県は飯山市と野沢温泉村の境、千曲川の流れに抗う『西大滝ダム』です。
先ほどの冒険は "天端" つまりダムの一番高い場所を通り、向こう岸に渡っただけだなのでしたー。
・さかのぼるコト数日前
▲紳士淑女の社交場
長野市にあります純喫茶『ロン』でスカッシュを飲んでいると
「ママ。クリームソーダを1つ。チェリー、大き目でね」
その声は…そのソーダに全部クリームを混ぜてしまう個人的にイヤな飲み方は…
"昭和バイクおじさん" こと荒川さんじゃないですか!
久しぶりにツーリングに行こうと、令和元年8月にオープンした『道の駅野沢温泉』で待ち合わせ。新潟に向け走っているトコロなのでした。
「バイクで走るには、寒い時期になりましたね~、荒川さん」
「カヲルくんも、もうすっかり冬装備だね」
「寒いのホントに苦手なんですよねぇ」
「背中にカイロも貼ってるのかい。ハハハ、万全だね」
・新潟県は酒どころ
▲八海山醸造が運営している『魚沼の里』
着きましたー!
本日の目的地、南魚沼市の『魚沼の里』です。
とても自然豊かで洗礼された、スゴイ人気の観光スポットなんですよ。
夏はこんなに緑が萌えて、抜ける風も爽やか~。
▲日に10回、15名限定の雪室ツアー
この里には様々な施設がありますが、やはり一番の見所は冬期に蓄えた大量の雪を利用してお酒などを貯蔵する『八海山雪室』でしょう。
「さあ、雪中貯蔵庫体験ツアーに参加しましょー」
「さっき寒いの苦手と言っていたような…」
・天然の冷蔵庫
▲室内は吐く息が白いほど
さ、寒い~!
庫内は4℃くらいに保たれていて、まさに冷蔵庫内です。
「庫内は寒いので、羽織るものを用意してください」
と事前に注意されましたが、荒川さんは "平和で安穏とした観光にアンチテーゼを唱えるような非日常的全身レザー姿" なのでヘッチャラそうです。
▲施設内は秘密基地感がスゴイ
ライディングブーツのスライダーが奏でる金属音も高らかに、順路に沿って見て回ります。
「この施設内のメタリックな感じ…これは『ローリングサンダー』のゲルドラ秘密基地内部のようですねぇ」
「ナムコのね。僕以外、ツアー参加者の誰一人として共感してくれそうにないのが残念だけど」
▲貯蔵されている雪1,000トン!
これが冷気の源、1,000トンの雪です。
毎冬に雪を補充しているとのことですが、豪雪地帯なのでスグに規定の量はクリアしちゃいそう。
・酒を廻せば人生廻る
ダクトを通じた冷気は角が丸く、ゆっくりじっくりと日本酒や米焼酎が熟成されていきます。
それにしても "樽醸造焼酎" とは手が込んでいますねー。
▲本格粕取焼酎『宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)』がズラリ
▲カウンターで飲むことも出来ます
お酒を美味しく、楽しく飲めることが出来る人って、人生をより豊かに彩っていそう。あまり飲めないので、羨ましい…。
「頭にネクタイ巻いて、お寿司の折ぶら下げて千鳥足で帰宅する大人になりたかった…」
「ならなくてよかったねえ」
▲冷えた後でも美味しいソフトクリーム
施設内にはお土産が買えたり、喫茶店で美味しいソフトクリームもいただけます。
「濃ゆいのに後味サラリとしていて、美味しい!」
「ゴールデンミルクとも云われている、ガンジー牛のミルクを使っているようだね」
「ガンジー…可哀そう…あんな痩せてるのに…お乳絞られて」
「マハトマ・ガンジーと違うから、牛。大丈夫だと思うよ」
「楽しかった~!さあ、帰りましょうか」
「お土産はいいのかい?」
「あっ!忘れてた。荒川さん、雪室まで戻りましょう」
「雪室に入らなくてもいいよね、ちょっと、カヲルくん、ちょっと」