爽やかな初夏の朝。
おはようございまーす。
いつも「あ~疲れたなぁ」と言うより「あ~よく働いたなぁ」と言うように心がけているカヲルです。
今週もよく働いたなぁ!
というわけで今回は、よく働いてくれた体を温泉で癒そうの巻。
最後まで、どうぞお付き合いくださいませ。
まずはこの精巧な地図をご覧ください。
『北信五岳』といわれる山々の様子が、つぶさにお判りいただける事と思います。
この右から二番目に記されている "妙高" つまりは北信五岳の最高峰『妙高山』にある秘湯に、今から向かうというのが本日の趣向です。
あの辺です。
いえ、その辺ではないです。
あの辺の山です。
ですからこう、心なしか三角になっている、そうかと思えば角がない、かと思えば厳しそうな、でも何処とはなしに優しそうな、あの辺の山です。
そうそう。
すごく特徴がありますよね。
それでは出発しま~す。
・国立公園内にある温泉着きました~。
日本百名山の一つ妙高山です。
その山麓、妙高戸隠連山国立公園区域内で堂々と、しかし人里離れているためひっそりと守られている秘湯。
『燕温泉』です。
標高1,100メートル。
6月、暦は水無月というのにまだ雪が残っています。
どーりで肌寒いワケです。ブルブル~。
・『黄金の湯』だけど無料
妙高山登山口を辿り、野天風呂『黄金(おうごん)の湯』に向かいましょう。
黄金というバブリーな名称ですけど、無料なんですって。
やった~!
ずいぶんと霧が出てきました。
ここ辺はその昔スキー場だったそうなのですが…周囲がぜ~んぜん見渡せません。
登山道なのに誰も通らないし…なんだかゾクゾクしてきました。
着いてよかった黄金の湯。
『妙高山(みょうこうさん)』
『大倉山(おおくらやま)』
『神奈山(かんなさん)』
フムフム
「さん」と「やま」とで "山" の呼び方が違いますが、確か信仰の対象となっている山が「さん」と呼ばれるハズなので、妙高さんと神奈さんに挟まれた大倉くん…もとい大倉やまは…今回はその…まあ…選考結果は後日連絡いたします…って、まだまだこれからこれから! "愚公、山を移す" という言葉もありますから、諦めずガンバっていつかは「さん」と呼ばれる山になろう!
登山道から直でお風呂ゾーンに入る造作となっています。う~んワイルド。
それでは早速ひとっ風呂いただきま~…
…しかし霧がドンドン濃くなっていきますね…。
人っ子一人どころか動物の気配すらしないし…気配あったら嫌だけど…これは…
めちゃくちゃ怖い~!
今、この環境下で一矢纏わぬスッポンポンになるということは…
分かりやすく『ガンハザード』で例えるなら
ハンドガン片手にヴァンツァーから飛び出し、鉄と火が炸裂する戦場へ身一つを晒す行為に等しいです!アワワワ…
♬ ハンドガン一丁さらにし巻いて~ 戦場に出るのも~ 傭兵の修業~
(台詞)こいさんがわてを初めて燕温泉に連れて来てくれはったのは、『黄金の湯』に奉公にあがった霧の日やった。早う立派なヴァンツァー乗りに成りいやァ言うて、長ァいこと燕温泉神社さんにお願いしてはりましたなァ。あの霧の日からわては、わてはこいさんが…
下山しまーす。
・燕温泉街につばめ返し
残念ながら入浴は諦め、慌てて温泉街まで戻ってきました。
街と言いましても、5軒の宿泊施設と2軒のお店が斜面にギュッと軒を連ねる、とてもコンパクトな温泉街。
坂の上からは温泉街の端まで簡単に…見渡せません‼
霧で!
お店は開いていますが、人影なしで寂しい…。
しかしどこか懐かしいレトロな店構えですね。
こ~ゆ~店を見ると反射的に、今や販売されていない懐かしい飲み物が、ひょっとしたらまだ売っているのではと思う事ってありません?
『島と大地の実り』や『ポストウォーター』『暴暴茶』とか、また飲みたいな~。
燕温泉は弘法大師が発見したと伝わる秘湯ですが、こんなに霧が出る土地なら弘法大師も筆じゃなく道を誤り、偶然踏み入ってついでに入湯しちゃったのかも。
きっと弘法大師だって、誰もいないので泳いだであろう名湯に入りたかったな~…
・地に足をつける足湯治
ん?
これは…
足湯(無料)じゃないですかー‼ それも源泉かけ流しっ!
『足湯治』と書いてある。
仏教では入浴は病を退け福を招く行為として奨励されていて、お風呂マニュアルみたいな『温室経』なんていうお経もあるくらいです。
ありがたやありがたや…足だけでも…オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ…
立ち込める煙が湯気なんだか霧なんだかよく判らないのですが、源泉温度は43.5℃なのでアッチッチではないと見ました。
躊躇なく足をドボーン!
…く…く…く~、いい塩梅のお湯加減です。
しかし湯の花の量が凄い。これは体に効きそうな温泉ですよ。
効能は「皮膚病」や「糖尿病」「神経痛」、それと「美肌効果」ですって。やった~!でも足だけ美肌になるってなんか複雑~!
ラッコのように仰向けになり、湯に浸かりたい衝動に駆られますが…ここはガマンガマン。
下界の喧噪から遠く離れ、誰もいない霧の中でボンヤリと足湯(無料)に浸かっています。
なんだか贅沢な時間です…
一週間の疲れと、体の底で澱のように積もっていたモヤモヤも、スーッと消えていきます。
ふ~…ありがとうございました。
身も心もスッキリ!
気づけば温泉街の霧も晴れています。
雲散霧消。視界良好。四海波静かにて。
さあ来週もがんばろ~!
そんな素敵な燕温泉の場所を、もう一度お伝えしますね。
あの辺。
あの辺りの山のですよ。
わからない?
ですから、あのそこはかとなく…