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ドカッとドコ行こう

略して ドカドコ!

野沢温泉で温泉たまご作っちゃいました

 

今年もこの時期がやってまいりました

f:id:inakakaoru:20201003232056p:plain第69回TMGマスターズ。誰が最強の「たまご料理」なのか、まさに金の卵を決定する熱い戦いの火ぶたがいま、切って落とされようとしています。

実況は私、ゴールドエッグ古林。解説はアメリカ合衆国ニューヨーク州コロンブス大学教授、厚焼きジェイソン氏です。どうぞよろしくお願い致します。

"よろしくお願いします"

f:id:inakakaoru:20201003232152p:plain会場はもちろん、世界のたまごファンがたまごを割らないでオムレツを作ってでも、一度は訪れたいと渇望する聖地『安曇野売店 たまごの駅』別名ビッグエッグ

「俺こそが最強のたまご料理だ」「いや、私が一番よ」「ワシが一等に決まっておろう」「カカロット、お前がナンバーワンだ」と各地から集まった強者たちが早くもニラミ合い、会場の入り口で一触即発レンチンたまご爆発状態。まさに危うきこと累卵の如しの様相を呈しております。

"これは危険な状況ですね。ディスタンスが必要ですよ"

f:id:inakakaoru:20201003232300p:plain今回のジャッジはJTA所属国際審判のこの三人。真ん中の白いのが主審の鳥頭レフリー。選手たちの感情的な行動に、かなりトサカにきているようですね。

"彼はルールに厳格な堅物のため、ハードボイルドと呼ばれています。ルール違反は決して見逃しませんが、ただ三歩歩くと忘れてしまうので、サッパリとした気持ちのイイ奴との定評もあります"

副審は左右の黄色いのです。

f:id:inakakaoru:20201003232422p:plainプラカードを掲げた女子高生の後に続き、まずグラウンドに現れたのは『おでんのたまご』選手です。しっかりとお汁がしゅんでいる。コンディションはぬかりなく万全の様子です。

"この日に合わせ、きっちり仕上げてきていますよ"

大根やちくわ、白滝など業界の実力者達を従えての、その堂々たる入場姿は聖帝もかくや。君臨する冬の居酒屋はまさに聖帝十字稜といってもよいでしょう。おっと、新橋のサラリーマン達がおでん片手に熱い声援を送っている。

「うぃ~…ヒック…ジャイアンツが勝てば日本の経済は良くなるっ!」

これは巨人・大鵬・卵焼き世代だろうか。今は令和の時代だぞ。これには異論!反論!OBJECTIONだ。

"新橋駅前の蒸気機関車によじ登っての応援は大変危険です。これはいけません"

f:id:inakakaoru:20201003232851p:plain次に入場してきたのは、『ラーメンに入っている煮たまご』選手だ。このラーメンは大変にスープが濃いストロングスタイルですが、たまごだって一歩も引けをとっていません。黄身がスープの味をさらに濃厚に、淡白な白身がワインのチェイサーのように口をさっぱりさせる。さながら夏休み田舎に行った時の、恐いじ~ちゃんと優しいば~ちゃんシステムといったところでしょうか。

"昔、祖父の万年青を倒してしまい、罰としてアロエを生で舐めさせられた事を思い出しました。大変に苦い思い出です"

f:id:inakakaoru:20201003232923p:plainこれはなんだ⁉ これは…『ガパオに入っている煮たまご』選手でしょうか。ナンプラーや香草の香りなんぞどこ吹く風。「俺が主役だ」とまさに不敵な泰然自若。アジアの中で我らが日本も、同じような立ち位置にいたいところ。煮たまごがライジングサンに見えてきたのは、ネットで物議を呼びそうだ。

"ガパオはタイ料理ですね。「こんにちは」はタイ語で「サワッディー・カップ」といいます。『ソウルハッカーズ』のタイ料理サワムラで覚えた人も多いのではないでしょうか"

f:id:inakakaoru:20201003233030p:plainさあ、『カツカレーに乗っている目玉焼き』選手の入場です。たまご2玉をちゃんと使って目玉にしている、これぞイエローアイズホワイトエッグ。1玉なんて認めないプロテスタント正統主義。譲れない戦いがここにある不撓不屈の十字軍だ。なお、片面焼のサニーサイドアップ。両面焼きのターンオーバーなど、焼き方で味に変化が生じる懐の深さ。シンプルながらもその威力と存在感は、まさに滅びのバーストストリーム!スゴイぞ‼ カッコいいぞ!

"私はオッパイに見えてしまいます"

f:id:inakakaoru:20201003233111p:plainやってきました、『月見そばのたまご』選手の入場だ。ご覧ください、この産まれたままの姿を。世が世なら問答無用でお縄になってもおかしくないセクシーさ。もはや調理など不要。こまけえ事ァいいんだよ。黙って俺に任せとけと言わんばかりの度胸の良さに、会場全体がどよめいています。

"ロッキー・バルボア選手はかつて生たまごをガブ飲みした事で有名になりましたが、食品安全管理上、欧米で生たまごを食べる事は食中毒につながる大変リスキーな行為です。しかも5個です。この命知らずな行動には、さしものチャンピオンのアポロ選手も、リング上でドン引きしてしまった事は想像に難くないですね"

月見という風流な名前によらず「初手からたまごを潰す派」「無傷で放っておき最後にツルンと行く派」など数多の派閥を乱立させ、市井に激しい闘争を繰り広げさせる物騒な調理方法としても有名なところ。"立ち食い界の火薬庫" と言っても過言ではないでしょう。

"生たまごは兵器にも転用できますので大変危険です。1996年5月9日、通称5.9にダイエーファンが暴徒化し、あろうことか王監督に生たまごをぶつけるという、たいへん痛ましい事件が起きた事は記憶に新しいところでしょう。この事件は、法による秩序ある世界へのアンチテーゼとして、決して風化させてはいけません"

f:id:inakakaoru:20201003232506p:plain『半熟ゆでたまご』選手の入場時間となりました。透明な容器による厳重な拘束。中央でも名神でも、ましてや伊勢湾岸でもない、これが透明拘束だ。だがしかし拘束がなければ何をしでかすか、何個食べてしまうか判らないリミット青天井の美味しさですから、これは致し方ない事でしょう。今回はファミリーマートお母さん食堂からのエントリーとなります。

"お母さん食堂のイメージキャラクターといえば香取慎吾氏ですが、彼の身長は182㎝と日本人女性の平均身長からすると大変高身長です。「おまえのようなお母さんがいるか!」とケンシロウ氏に疑われないか、危惧すべきところですね"

 

さあ、いよいよ最後の選手ですが、中継による参加となっております。

それでは現場の板東さん、よろしくお願いします。

f:id:inakakaoru:20201003233516p:plain「あ~、いい湯だったな~…フンフ~ン…可哀想だよズボンのおなら、右と左に泣き別れ…なんてねェ」

板東さん。よろしくお願いします。

「…え?つながってるって?…え?

失礼しました。現場の板東です」

f:id:inakakaoru:20201004133308p:plain「いま私がいる所は、長野県の北東部に位置します野沢温泉村です」

f:id:inakakaoru:20201004135600p:plain野沢温泉の源泉はとても高温で、ここのお湯でカップヌードルを作ると、通常は3分かかるところ1分で出来てしまうと江戸時代より言い伝えられてきましたが、誰も試していないので真偽は不明です」

f:id:inakakaoru:20201004140851p:plain「指定された待ち合わせ場所に来ましたが、選手の姿が見当たりません。確か専用のトレーニングルームと聞いていますが…あれは?」

f:id:inakakaoru:20201004135852p:plain「これの事でしょうか。専用トレーニングルームとは。確認してみましょう」

f:id:inakakaoru:20201004172827p:plain「いました!野沢の滾々として湧いて尽きない温泉により鍛えられた、『温泉たまご』選手です!」

f:id:inakakaoru:20201004140939p:plain「アチッ!アチッ!隣にある水道水で冷まさなければ、何人たりとも触れる事はできません」

f:id:inakakaoru:20201004141049p:plain「冷水で冷やします。急冷することで、殻が剥きやすくなるとのことです。表面はクール。でも内面はホット。ふるえるぞハート。燃えつきるほどヒート。これは大変な実力者です。ここからでも熱い黄身のビートを感じる事ができます」

f:id:inakakaoru:20201004141625p:plain「ちなみに周囲にあるお土産屋さんでたまごを購入すると、たまごを入れる籐カゴから殻を割るためのカッターのレンタル、お塩やピリ辛の薬味もいただけますので、是非ご活用ください」

f:id:inakakaoru:20201004141704p:plain「慌てて食べるとヤケドするぜ。現場からは以上でーす」

 

さあ、いよいよ全選手が出揃いました。ここからが白黒、いや白黄色を決めるデスマッチ。だがしかし、鶏が先か、卵が先か。真の敵は鶏かもしれない。真実を疑え。信じるべき、頼るべきは己が信念とカラザのみ。自我の殻を割り、あとはデュエル開始の合図を待つのみです。

"非常に楽しみですね"

なお、このあと11時55分からはNHK教育放送でお送りします。

【幻の羊】信州新町『さぎり荘』ジンギスカンは夢幻の如く

 

「ちょっとお前さん…お前さんたらッ」

「おゥ……お……ゥゥーン…こン畜生、やけな起こし方をするなよ、おい。起こすったって、もう少し優しく、でりけーとに起こせやい。こちとらこれでも硝子の少年時代って言われてるんだァ…ん、なんだい?」

inakakaoru.hatenablog.com

 

「なんだいじゃないよ。ホントに。もうお天道様もいい加減頭の上に来てるよ」

「おお、もうそんな時分か。じゃあ、あれでも食べるか」

「なんだい?あれって」

f:id:inakakaoru:20200918232317p:plain「なんだってえ事ァねえじゃねえか。コメダ珈琲『"コメ牛" 牛カルビ2倍肉だく』を買ってきていたじゃねえか。アレを出せってんだい」

「なんだい、コメ牛ってな…?」

f:id:inakakaoru:20200918223635p:plain「おい、よせよゥおい。少ゥしぐれえ食っちまったってのはまァ仕方ねえけど、そっくり無いなァひでえじゃねえか、おい…俺がコメダで買ってきた肉だくがあるだろう?」

「なにを寝ぼけているんだよゥ…お前さんコメダなんて行きゃしないじゃァないか」

f:id:inakakaoru:20200918224806p:plain「何ィ?俺がコメダに行かねえ?冗談言うなよ、おい。お、俺ァコメ…コメダへ行ったら、え?シロノワールなんかにゃ目もくれねェで、コーヒーだって飲まねェでよ、コメダ珈琲店だってのに」

「いつもそばに、ずっと」

コメリじゃァねえやい!畜生め……それで俺がひょいッと見ると、おめえ、コメ牛ってのがあって、悩んだ末に "並" と "肉だくだく" の間の "肉だく" を選んでよ、税込み1,010円でテイクアウトしてきたんじゃァねえか」

「お、ねだん以上」

ニトリでもねえやい!」

f:id:inakakaoru:20200918225617p:plain「お前さんはホントに、眠りながら悩んだり笑ったり、頻りにだくだく言ってると思ったら、そんな夢を見ていたんだね…なさけないねェ…この人ァ。コロナ太りをするとそんな夢を見るのかねェ」

「ゆ、夢だァ?」

「そうさァ、夢や幻じゃァないか。何を言ってンだよ、コメ牛なんて、その体のどこに肉だくが入る余地があるってンだよ。現実なのはそのタルんだ腹回りだけだよゥ」

「う…」

「お前さん、昨日言ったよね。『おッ嬶ァ、俺ァ筋トレを始めるぜ』って」

「そ、そんな事ォ言ったかァ…俺」

「お腹をシックスパックにするって」

「シックスパックって…クリスティアーノ・ロナウドかよ」

f:id:inakakaoru:20200921123124p:plain「レオナルドだよ」

タートルズの方かよ!」

 

f:id:inakakaoru:20200918235614p:plain「ハァハァ…おッ嬶ァ、一体ェここはどこなんだよ?」

「なんだい、これくらいの山道でふいごみたいな息をしてさ。男のくせになさけないねェ」

f:id:inakakaoru:20200919062943p:plain「さ、お前さん、キリキリ渡るんだよ」

「お、おい、待ってくれよ。床の金網と柵をトラロープで結んでいるところもあるじゃねェか…抜けねえか?おい、大丈夫か?」

「フ~、9月だってのに、草いきれが凄いねェ…」

スタスタ

「揺らすなよ!おい、揺らすなって!」

f:id:inakakaoru:20200919061530p:plain「フゥフゥ……確かに『おッ嬶ァ、俺ァ悪かった。これから運動をするぜっ。草鞋を出してくれ』って勢い込んで頼んだけどよ、こんな場所をウォーキングさせられるたァ夢にも思わねえよ」

「空気がいい場所での有酸素運動に、何に不満があるってのさ」

f:id:inakakaoru:20200919061058p:plain「さあっ‼ ウサギ跳びで階段を昇るんだよ!」

「よい子は真似するなよ」

f:id:inakakaoru:20200919061118p:plain「橋桁で懸垂をするんだよ!」

「無茶いうなよ」

f:id:inakakaoru:20200919061145p:plain「毬栗を額に…」

「なんの修業だよ!」

f:id:inakakaoru:20200919062158p:plain「ヒィヒィ…ん?ここはタイか?アユタヤか?」

「何を言っているのさ、お前さん。ここは…」

f:id:inakakaoru:20200919062049p:plain長野市信州新町『祖室渓谷』に決まってるじゃないのさ」

「う~ん、マニアック」

「さあ、ありがたい石仏様に、筋トレとダイエットの成功をお願いして」

「ヘッ。なによゥ言ってやんでえ。仏様だろうが鰯の頭だろうが、信心ぐれえで体格が変わるなら世話ァねえや。だいたい楽して筋肉つけよう痩せようっていうテレビショッピング的魂胆が肥満を増長…」

f:id:inakakaoru:20200919062119p:plain「痛えッ!痛てててッ!」

「バチが当たったんだよ。鱅の頭だなんて

「鰯だよ!なんだよ鱅ってなァ……だいたいなんて読むんだよ。え?ちちかぶり…フーンなるほどねェ…よく知ってんなァそんな魚!

 

f:id:inakakaoru:20200919081549p:plain「さあ、体をしっかり動かした後は、栄養もしっかり取らなくちゃね」

「お?何か食わしてくれる所が、一体ここらにあるってのかよ?」

f:id:inakakaoru:20200919085608p:plain『不動温泉 さぎり荘』だよ」

「不動温泉…ここでうめえモンが食べられるってのかよ。よーし、ああ、俺ァもうテコでもここを動かねえぞ‼ 俺も不動だぞ!」

f:id:inakakaoru:20200919093542p:plain信州新町産サフォーク』?『幻の羊』?…食い物の話だよな」

「"サフォーク" ってのは羊の品種名だよ。羊のお肉特有のクセが無くってさ、特に新町のは本当に美味しいんだよ。由来はイングランドの地名らしいんだけどさ」

イングランド…ああ確か、お前と一緒に新婚旅行に…」

「熱海だよ、行ったのォ」

f:id:inakakaoru:20200919093648p:plain「新町は昔からめん羊が盛んな土地柄でね、町を通る国道19号線は 『ジンギスカン街道』といって、てんでに独自のタレで漬け込んだ羊肉を食べさしてくれるお店が沢山あるんだよ」

「北海道だけじゃねえんだなァ、ジンギスカンてなァ。そういやァ昔さ、松本パルコのヴィレッジヴァンガード"ジンギスカンキャラメル" を買ってよ、なあ、立体駐車場のエレベーター内で開封してたら、一緒に乗り合わせた見ず知らずの女性に『一つください』と詰め寄られて、二つ三つあげたっけなァ。なんだったんだろうな…アレ」

「あげなかったらどうなってたんだろうねェ…」

f:id:inakakaoru:20200919223358p:plain「『道の駅 信州新町』でもタレ漬けジンギスカンが、鍋と一緒に売られているんだよ」

「ふーん、ジンギスカン鍋にもイロイロ種類が…ん?この銀色のヤツは、これァ…バケツを改造したんじゃ…」

「やだねェこの人は、新品に決まってるだろゥ」

「だよな、本当、ピカピカに光ってやがら。なァ、昔からよゥ、畳の新しいのと嬶ァ……嬶ァの古いのはいいなァ」

「変なお世辞を言わなくッてもいいよ」


f:id:inakakaoru:20200919093819p:plain「『日本で消費されている羊肉の99%以上は輸入羊肉』だってのか…フーン、だから1%もない国産の、それも新町産サフォークは幻の羊と呼ばれてるってンだな…なるほどなァ、合点がいったぜ」

「さあ、お前さん、席にお座りよ」

「でもよゥ、おッ嬶ァ…その…軍資金はあるのかよ…なあ?おい」

f:id:inakakaoru:20200919094151p:plain「いいんだよ、好きなものォ頼んでも。こんな日のために、しっかり貯めてあるんだから」

「いいのかよ?おいッ、え?幻の、本当か、おゥ?ああ、やっぱし嬶ァは古くなくちゃだめだなァ」

f:id:inakakaoru:20200919103346p:plain「おゥ、ねえちゃん待っつくれ。こっちは酒ェ頼んでねえぜ」

「ちょっとお前さん、タレだよ、その入れ物は」

「タレの入れ物?洒落てらァな、なあ。え?頼めばすりおろしニンニクも持ってきてくれるって?至れり尽くせりだな、これァ」

f:id:inakakaoru:20200919103641p:plain「頼んだ『マトンロース』『ラム』『サフォーク』が来たよ」

「肉がツヤツヤしてやがら…ほ~新鮮だね、う~ん、惚れ惚れするねェ」

f:id:inakakaoru:20200919105504p:plain「いただきま~…」

「先に野菜をお食べな」

「ん?サキベシだろ?わかってらァ。チョッ。そうヤイヤイ言うなってンだ」

「ヤイヤイ」

「わかったよ」

「ヤイヤイ」

「その…」

「ヤイヤイ」

「俺が悪かったぜ」

f:id:inakakaoru:20200919105531p:plain「モグモグ…美味いモンだなァ、これァ。肉の臭みなんて全然ねえや」

「美味しいだけじゃなくて、羊肉は豚や牛に比べたら低カロリーだし、"カルニチン" というエネルギー燃焼効果があるアミノ酸が多いから、ダイエットにもいいって話だよ」

f:id:inakakaoru:20200919105626p:plain「食っても太りにくいってェのは嬉しい限りだな、うん。そういや昔さァ、脂肪がつきにくいってェ鳴り物入り "黒烏龍茶" が発売された時、さっそく飲んでいたら見ず知らずのオバチャンに『そんなの飲んだらガリガリになっちゃうよ!』ってたしなめられたっけなァ。なんだったんだろうな…アレ」

「期待も含めスゴイ効果があると思ったんだろうねェ…ていうか、どんだけ話しかけられ易いのさ、お前さん」

 

f:id:inakakaoru:20200919105833p:plain「……実はね、お前さん。コメ牛肉だくの件だけどね…あたしが隠したんだよ」

「な、なにをゥ?こン畜生、てめえあン時、夢だ幻だ…」

「でもね、肉だく…1,012kcalもあるんだよゥ。お前さんが美味しく食べている顔もみたいけど…1,012…オーバーサウザンド…ねえ、だからあんまりお前さんが爆睡しているのいいことに、ウソをついちまったんだよ…。腹が立つだろうねぇ、連れ添う女房にウソをつかれて…さ」

「……おッ嬶あ、待っつくれ。腹が立つどころじゃァねえ…」

f:id:inakakaoru:20200919110842p:plain「偉えな、え?俺の体を気にして、カル・スワン…じゃねえカルニチン豊富な幻の羊を食べられる信州新町まで、わざわざ連れて来てくれるなんて、ああ、なかなか出来るもんじゃねえや、なあ…おッ嬶ァ、俺ァおめえに礼を言う。ありがとう」

「何を言ってんだねェ、お前さん。じゃあなにかい、堪忍してくれるかい?嬉しいねえ…」

f:id:inakakaoru:20200919114258p:plain「へへ、満腹になったら眠くなってきやがった。現金なもんだぜ、体なんてなァ」

「運動もしたからね、少し横になったらどうだい?」

「そうかい?畳の上でいいや、横になるかな…枕?いらねえ、うん…あァ、いい心持ちだ…ありがてえなァ、畳の上でこう大の字になっていると、スーッと…このまま眠っちまいそ…」

f:id:inakakaoru:20200919114500p:plain「よそう、羊が幻になるといけねえ」