「ェェこんちわ~、ご隠居ォ、いらっしゃいますかぁ?」
「おお、その声はカヲルかい。どうした?」
「ェェと、お宅は…昼ゴハンは…」
「ああ、これからなんだ。米屋のおにぎり『ぷくぷく亭』からテイクアウトしていてな」
「ああそうすかァ。じゃあ上がらしてもらいます」
「それがおかしいってんだよ。たいがいの人は時分どきだてえと『じゃァまた、のちほど』つッて帰るもんだが…」
「ええええ、もう、三度に一度はこちらで頂くようにね、決めてあるもんですから」
「そんなこと決められちゃあ困ンなぁ」
・ブロガーバトンが回って来た
「お!"みそ漬け" だね…モグモグ…こりゃあうめえ…モグモグ…んでね、ご隠居、あっしのところにねえ『ブロガーバトン』なんつうモンが届いたんで」
「勝手に食べちまいやがって…こっちは "はとうがらし" だな…モグモグ…まったく絶品だね…モグモグ…ふ~ん、ブロガーバトンといやぁ」
「こんなテンプレートに沿って自分の紹介をして、次の人に回すなんていう粋な企画じゃあないか。しかしまあ、お前さんの様な愚者を相手にする物好きも居るってんだから、世の中は広大だな」
「え?なんか踏み潰したんで?」
「なに?」
「いえ、グシャって」
「何を言っている…愚かなる者と書いて、これを愚者と読む」
「ふ~ん、その愚者てえのはあっしのことですかい?へ~え、そりゃァまァ、当人が気がつかねえうちに愚者なんぞにして貰って、こりゃぁエヘへ、ありがとうござんす」
「うーん…まあいい。で、どこのどなたがバトンを寄こしたって?」
「ええ、"タブチマン" さん(id:tabutiman2929)つう方でして」
「なんだか世の中のためになるモンばっかし、かたっぱしからブログで紹介しているスゲ~人なんでさあ」
「そりゃあ大盤振る舞いだなあ」
「いつもありがとうござんす」
「ご隠居もどうです?ひとつホワイトニングなんぞと洒落込むてェのは。でもまァ、しょっちゅう渋面のご隠居が、急に白い歯ァ見せてニッコリ笑っていたら、長屋のみんな魂消ちまって寿命が縮んじまわァ。芸能人は歯が命。ご隠居は歯が命取りなんて…」
「うるさいね、お前は。よくまァ当人を前にしてベラベラと」
「こういうのをなんと言う?」
「"歯に衣着せず" と…うるさいよ、お前は」
・テンプレートを埋めよう
「お前さん、いくつなんだい?」
「へ?ええっと…さしあたり右が1.5で左が…」
「視力じゃないよ。齢(よわい)だよ」
「目は弱かねえんで」
「うーむ、わかったよ。じゃあ、ブログ歴はどうだい?」
「あ~、まぁ一年と半分くらいですかねぇ…更新についてはいやはや面目次第もねぇ…。しがないスシローみたいなもんでして」
「なんだ?」
「スローってんで」
「なんだいそりゃあ」
「『不室屋』さんのふやき御汁『宝の麩』でも一緒に食べるか」
「ありがてえ。季節品の『宝の麩 ハート』じゃねえですか。北陸金沢土産ですかい?こりゃァ可愛らしいや」
「…で、ブログのジャンルはどう分ける? "バイク" とか "旅行" ってところか」
「んじゃ "ギフト" といきやしょう」
「ギフト?」
「他人ん家にいく時の」
「?」
「"つまらねえ物ですがどうぞ" なんて」
「ハハハ、違いない」
「ブログを始めたきっかけは、ケガが治ったからだったな。確かァ一番古いブログに書いてあった」
「まァ、冬だったんで春先に向けてこう、パ~ッと景気よく行こうってんでね。縁起物みたいなモンで」
「なんだい縁起物てなァ。今後ォブログの野望なんてあるのかい?」
「いやいや、立って半畳寝て一畳でさあ。足るを知る。野望なんてそんな大それた…まァせいぜいジャスティン・ビーバーの目に留まってTwitterに書かれたらいいなぁ程度で…」
「お気に入りの記事ってのはこれかい?」
「いえね、格別気に入ってるってんじゃあないんですがね、こんとき初めてはてなブログのグループに参加したもんで」
「スターなんてのも知らなかったもんなァ」
「へえ、まったく情けねえ話で…気がつかず暫くほっぽっといたのもこの時期でさあ」
「不愛想なヤローだと思われてたんだろうな」
・バトンを回そう
「次にバトンを回す人は誰にすンだい」
「そこなんで」
「どこだい?」
「他でもねえ、一朝事があったらこの人だ!と思ってた方がいるんで」
「"こざっく"さん(id:yoshi_skywalker)でさあ」
「初めて読者登録をしてくれた方だな」
「これも恥ずかしい話で、読者登録ってのもなんだか判らなくて、初手に通知があった時は新手の特殊詐欺かなんかだと…」
「失礼過ぎるだろっ」
「ずっと感謝はしてるんで」
「バトン、快く受け取ってくれそうかい?」
「多分大丈夫なんで。バイク乗りだけにノリがメチャいいブログを書かれますし。トライアンフだし。三気筒だし」
「なんだいそりゃあ」
「どうぞよろしくお願い致しやす」
「お頼み申します」
「モグモグ…う~ん、ハート型のお麩がコンソメスープをたっぷり吸って、こいつァうめえや」
「ズルズル…お前は次にこう言うな。『あっしもこのハートにあやかって、心を込めてブログを書かなきゃならねえ』 と」
「あっしもこのハートにあやかって…おっ⁉ こいつァまいったな、ご隠居にはお見通しで」
「ふふふ、バトンだけに」
「なるほど筒抜けだァ」