わさびと浄瑠璃は泣いてほめる。
辛いもの好きライダー、山葵カヲルです。
各地の辛いもの名産地を紹介する、不定期連載『ピリッとドコ行こう』。
それでは本日も、思わず体が熱くなっちゃうスパイシースポットへ出発するとしましょう。
▲無料で入れる広大なわさび農場
■年間約120万人が訪れる安曇野の観光スポット
『大王わさび農場』は、長野県安曇野市にある日本最大規模のわさび農場。
全国どころか海外のWASABIファンも訪れる、安曇野はおろか信州でも屈指の観光スポットであり、わさびファン垂涎の聖地なのです。
▲大王畑、東畑、北畑、古畑からなるわさび農場
開場は1917年(大正6年)とその歴史は古く、なんにもない原野から20年をかけて開拓された農場です。
農場面積は15ヘクタールと非常に広大。15ヘクタールといえば、ビッグエッグこと東京ドーム約3.208213個分にあたりますから驚き。
▲畑に流れる湧き水の量は日に12万トン
わさびが育つには澄んだ清流が適すといわれますが、大王わさび農場のわさび田は北アルプスの豊富な湧水を引いています。水温は年間を通して12℃と冷涼。
その水の清廉さに環境庁より名水百選に認定され、かの海馬コーポレーション社長の瀬戸海馬氏も「ふつくしい(美しい)…」と言ったとか言わなかったとか。
▲年間150トンのわさびが収穫される
わさびは日本の特産であり、北海道から九州まで分布しています。
主要な産地のなかでも、島根の『匹見わさび』静岡の『有東木わさび』そしてここ長野の『安曇野わさび』が "日本三大わさび" と呼ばれ珍重されています。伊豆市や安曇野市では、市の花にも指定されているくらい。
わさびの花言葉は「実用」「目覚め」「嬉し涙」「鼻ツーン涙」「パッと来てスッと去る」「お寿司のズッ友」「ときどきシュークリーム」などなど。
▲大王畑と幸いのかけ橋
■大王わさび農場の大王
農場内には『大王神社』があり、これが大王わさび農場の由来です。
安曇野で大王といえばアレキサンダーでも、カメハメハでも、製紙会社でも、ましてやニコチャンでもなく『八面大王』を指します。
▲大王の大王窟と平民の方々
八面大王とは『魏石鬼八面大王(ぎしきはちめんだいおう)』とも呼ばれる、安曇野地方に伝わる伝説の人物です。
平安時代の征夷大将軍坂上田村麻呂と殴りあった英雄だったとか、民を困らせた鬼だったとか、8人の首領率いる盗賊集団だったとか諸説があり、肝心のわさびが好きだったかも確認できない謎多き大王なのです。
▲こんな大きな草履を履いていたABCマート泣かせの大王だったのでは……と太古に思いを馳せる
▲わさびを使った食品ならたいてい揃っている売店
■日本一のわさびを味わう
場内にある売店では、農場で採れたわさびを使用した、バラエティー豊かな商品を購入することができます。
▲わさびを薄皮に使用した、ニコチャン大王色…じゃない薄い緑色をした『わさびまんじゅう』ほんのりわさび香ります
▲悩みに悩み『わさびパリポリ昆布』をゲット!
▲テイクアウトコーナー前にソフトクリームを求める人たちが集まる
ここ、大王わさび農場に来たのなら、ソフトクリームを食べずして大王の御前を去ることは許されません。無礼者!
▲年間20万人以上が食べているソフトクリーム
オーダーしたいのは勿論、わさびをふんだんに使った『本わさびソフトクリーム』。
ではなく
『大王プレミアム本わさびソフトクリーム』!
荒めにすりおろした本わさびを大胆不敵にトッピングしたことで、ソフトクリームをハードクリームとでも名称変更したくなる逸品です。
鼻ツーン!
さあ、いかがでしたでしょうか。
いつもはただの薬味でおさまっているわさびが、堂々と主役を張っている夢のステージ。それが大王わさび農場。わき役だって、いつかきっと報われる優しい世界。そんな大王わさび農場。
また来ようっと。
ちょっと醤油を垂らしたくなるのはなぜ?