廊下を走らないでください。扇風機に指を突っこまないでください。深夜にラーメンを食べないでください。老後を年金に頼らないでくださいと、私たちは日々さまざまな事をしないでくださいと言われ続けている。そして新たに「絶対にかまないでください」をリストへ加えなければならない。
絶対にかまないでください、そう『笹飴』だ!
とにかく何がなんでも、意地でも、テコでも、石に齧りついてでも笹飴に齧りついてはいけないのである。
・チョ~危険
「砂糖を使っていないのでかむと歯につく」
というのが笹飴噛んじゃダメの理屈なのだが、参考にネットで食べた人々のレビューを確認すると「歯に強烈にくっつき差し歯が抜けた」「詰め物が取れた」「孫に食べさせて乳歯を抜いた」等その被害の甚大さに戦慄すら覚える。だが…
食べてみたい!
高橋孫左衛門商店だ。
・チョ~老舗
ここ上越ではマツモトキヨシでもなく、伊藤忠商事でもなく、塩野義製薬でもなく、創業者の名前が前面に押し出ている店といえば高橋孫左衛門商店に決まってる。
なんたって創業は寛永元年(1624年)という、日本最古の飴屋なのだ。チュッパチャプスやVC-3000のど飴なんて舐めてる場合じゃない!
明治から今に至る皇室の方々が、皆ここの飴を好んで食べている(明治天皇なんて自ら購入している)というのだから、思わず襟を正そうにも襟がないのでライディングパーカーのパーカーを正して入店する。
笹飴16枚入り(税込756円)を購入。
パッケージの夏目漱石は、著書『坊ちゃん』に登場するばあやの清が「越後の笹飴を食べたい」となぜか四国に赴任する坊ちゃんへ頼んだ由来から。漱石が笹飴を実際に食べたかどうかは不明だが、歯は大丈夫だったのだろうか。
会計の際に、初老の大番頭の様な店員さんが「笹飴は初めて食されますか?」と静かに尋ねてくる。「…きたか」と思った私は顔を近づけ、小声で「噛んではダメと聞いております」と返答。ニッコリ笑顔になった大番頭の「笹の風味を存分にお楽しみください。毎度ありがとうございました」との言葉を背に、老舗店を後にしたのであった。
帰宅してさっそく袋を開封すると、パンダもビックリの笹のイ~イ匂い!
ペリペリペリ…二つ折りになった笹を開くだけでも、飴のその粘着具合に戦々恐々とする私…
ペリペリ…
ペリペリ…
ってくっつき過ぎっ!
そして飴のこの照り!ツヤツヤ&ペタペタ!
そのまま口に入れようにも微妙なサイズ感のため、口元まで持っていっては躊躇するを繰り返すなにこの時間。結局真ん中で折り(それでひょうたん型なのかしら)半分にして口に入れ、公式が教える通り上アゴにくっつけゆっくり溶かします。
・チョ~美味しい
ムグムグ…こんなに意識を集中して飴を舐めるのは初めてです…ムグムグ…でも美味しい~!
餅米のデンプンのみ、砂糖不使用の優しい甘さに笹の風味が加わってなんとも言えぬ味わい。だけど歯にくっつかないか常に口のなか全集中のため、一つ食べ終えるだけでもうクタクタ。
美味しい!でも疲れる!そんな「飴と鞭」も味わえちゃう高橋孫左衛門商店名代の笹飴。是非ともご賞味くださいませ~。
そんな兵器級の飴を求め、やってきたのは