このご時世、「おうち時間」というんですか、家で過ごす時間が増えている方も多いのではないでしょうか。
お酒だって店でなんて飲まない。家で飲む。いわゆる「家飲み」というヤツ。しかし店が看板を下す時間や、終電の時間も気にする必要はないんで、ついついダラダラ飲んでしまう。こういうのは新入社員のネクタイのように、あんまり締まりのよくない話ですな。
以前、早朝のコンビニ駐車場でファミチキにむしゃぶりついてますと、外国の方がワンカップ一つを手に店から出て来ました。そのまま歩きながらフタを開けるや否や、カポッと一口。間髪を入れずもう一口。このたった二口でコップを空けゴミ箱にポイ、サッと去って行った姿を見て、わたし大変感動いたしました。あの無断のない、全てが理に適った所作と様式美。いやはや、あれがプロだと感心したものです。
何のプロや言われても困りますが…
ふ~ん、純米酒『苗場山』 か。こら美味そうや…オッ?…ちょっと待て。
よく見たら『猫場山(にゃえばさん)』やないか…なんやこの桃色のラベル…猫が頭にタオル巻いて風呂入ってるイラスト…尊くも日本の名を冠している御酒に対してこんな…こんな…う~ん…
面白い!蔵元の苗場酒造なかなかやるやないか。グビグビ。遊び心が判とるな。これは女性にも人気出そうや。プハ~ッ。
"猫には与えないでください"
ダハハ、猫が酒なんて飲むかい。グビグビ。
でも広い世の中や、飲む猫だっているかも知らん… "ネコマタ" なんてヤツは、行燈の油なめるらしいからな。
昔読んだ本に確か
「猫も10年くらい生きれば人の言葉が判るようになり、あと4~5年生きれば神通力も持つ」
みたいなこと書いてあったような…
こらっ!そこの専用寝床で寝てる猫。おまえ、もう15年以上家におるけど、人の言葉わかるんか?神通力あるんか?ボートレースの当たり予想できるんか?
…起きる気配なし…シカトや。うちのカアちゃんや子どもの反応と一緒や。我が家のヒエラルキーでいったら、コイツより下、ピラミッドの底辺思われてるんちゃうか、わし。
"スイーツにも合うらしいニャー♡"
ほ~お、なるほど…なんか甘いモンあったかな…
「ちょっとあんたっ!なに冷蔵庫クビ突っ込んでガサガサやっとるんや、このゴールデンアックスのシーフ!」
いきなりな言われようやな…。
「家ノミか南京虫か知らんけど、いつまで呑気に酒飲んでるつもりや。このがんばれゴエモン2の酔っ払いの青助!」
じゃ…じゃかましわい、夫に対してなんちゅう言い草や。わしはこの家の家長やぞ。
「家長も特命係長もあるかい。家の主やいうんやったら、切れた電球の一つも替えんかい。このおむつカバー!暗くてわたしの美貌がよう見えんと、あんたも困るやろ。グダグダしてんと、ちゃっちゃとガレージに行きなはれやっ」
わかったがな。そう、やいやい言うな。
たまらんなぁ。
なんや、電球切れいうのはバイクの事かいな。
しかしアイツ、いつまでこんな爆音バイクに乗っているつもりなんやろう…
「いつ電話しても居ないっていうけど頭の中で排気音が鳴ってるから聞こえねえよ!」
なバイクやからなぁ、ホンマ。
なるほど、ポジションランプは点くが、ロービームもハイビームも切れとる。
それにしてもカアちゃんのヤツ、なにが
「最近トンネルを通ると、以前よりなんか暗い思てたんよ。これはトンネルの照明の問題に違いない、いよいよ日本のインフラもここまで落ちぶれたかと、メットの中で嘆息嗟嘆、長歎して別に五百を奢る…」
や。フツ~気づくやろ。なんでもかんでも人のせいにしやがって。
まずはこのヘッドライトフェアリングを外してと…
しかしこのフェアリング、一般的には "ビキニカウル" に属するもんやろうけど、ビキニ言うてもブラジリアンビキニくらいの面の狭さやからな。ホンマに防風の恩恵に授かってるんかいな。
バルブは、ロービームが「H7(12Vー55W)」ハイビームが「H1(12Vー55W)」今回はどちらも小糸製作所製のハロゲンバルブを使お。
LEDよりハロゲンの方が、夜間雨天時は視認性が良いという話もあるしな。
もっとも夜間雨天時なんか極力乗りたないけどな。
ところでこれ、このインストルメン…トパネ…なんや舌噛みそうや…
つまりメーターをマウントに固定しているスクリューの事なんやけど…
何故か唐突に、ここだけ "トルクスねじ"
いわゆる "星型ねじ" 仕様になるんや。
一体全体なぜ急にここだけ星形なんや。
イタリア工業技術のひらめきか?
マカロニ連中の気まぐれか?
アイツら横を通った美女に口笛でも吹いていて、設計図の書き間違えでもしたんやないか?
星型ねじ使わなナメそうな箇所、ここ以外にも仰山あるぞ。
お次はヘッドライトをマウントに固定しているスクリューを外して
ガク~ッ、ヘッドライトを落として
裏側を見たら…なんやこの落書き!
信貴生駒スカイラインの高架やないぞ、ここは。
なんのつもりや…C3…6…暗号か?もしや文枝師匠でお馴染みのYES/NO枕みたいな重要なメッセージが隠されて…マカロニのヤツら~。
フタを固定しているスクリューにプラスドライバーを…こう…グッと力の限り押しつけて…ナメないよう慎重に…慎重に…ここに星型ねじ使わんかい‼ マカロニ~!
そしたらロービームのバルブを交換や。
この時、バルブを素手で触るのはアカン言われてる。
付着した手の脂が熱で焼けて、バルブのくすみや割れの原因になるなんて話や。
昔から偉い人が口を酸っぱくして言っているな。
「ヘッドライトバルブと踊り子さんへのお触りはあきまへんで。堪忍しとくれやす」
至言や。胸に響く…
さ、ハイビームの方も交換して、これで一丁上がりや。
どや、光が戻ったぞ!
そういえばゲーテとかいう、悪い酒飲んだ次の日のえずきみたいな名前のヤツが「もっと光を」なんて生意気なこと言っていたみたいやな。
そしたらハイビームにしたらどや‼ ゲテ公!生きる道が見えてきたんちゃうか?ダハハ!
さ、今度はこの『Dr.野口カップ』ちゅうのをいただくとするか…グビグビ…プハ~ッ。
おう、カアちゃん、言われた通り電球替えておいたからな。明るいでえ。グビグビ。さあ、ご主人様にもっと酒持ってこい。ダハハ!…え?もっと光を?頭に火つけてアルコールランプ代わりになってくれ?
たまらんなぁ。