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ドカッとドコ行こう

略して ドカドコ!

【長野県小海町】そうだ、海に行こう

「もしもしカヲルくん?今いったいどこに…」 

「課長…いま…海にいます」

f:id:inakakaoru:20210211113846p:plain出勤しようと駅のホームに立ち、気がつくと会社に向かう電車ではない車両に乗っていた。

車窓からいつもと違う風景をボンヤリと眺めながら、なんとなく

「海に行きたいな…」 

なんて。

f:id:inakakaoru:20210211092656p:plain着いたのは小海という駅。綺麗な名前だ。

「海?海って」

「いま、小海です…」

「小海?佐久の小海町のことかね?海どころか、えらい山の中じゃないか」

「有休を使わせていただきます…」

「有休って、キミ、もう有給使い切って…ツーリングだかなんだかで」

「傷病休暇でお願いします…深爪で…」

「ちょ、カヲルく」

ピッ。

ツーツーツー

f:id:inakakaoru:20210211114302p:plain日々の喧騒からのエスケープ。

日常からのエクソダス

海に来てしまった。

f:id:inakakaoru:20210211093225p:plainすでに昼に近い時間。

体なんて現金なもので、どんな時だって腹は空く。

駅前に『盛柳軒』という食事処。

「ごめんください」

f:id:inakakaoru:20210211093343p:plain年配の店主と奥さんが、のんびり店を営んでいる様子だ。

店内にはコタツ席もあったが、あの席を使うには、まだまだ自分には人生経験が足りない様に思えた。

f:id:inakakaoru:20210211114047p:plain温かいお茶で、身も心も暖める。

ここでは普段の生活より、時間がゆっくり流れているように感じる。

f:id:inakakaoru:20210211114132p:plainラーメンは一種類のみ。

でも、選択肢の多いことが、場合によっては親切じゃないと感じる事だってあるわけで。例えば初見の、メニューやトッピングがやたら豊富な券売機の店とか。後ろに他の客がズラー並んでいる時とか、特に。

今はこのシンプルさが心地いい。

「ラーメンください」

f:id:inakakaoru:20210211093636p:plain昔ながらのラーメン、っていうやつ。

でもみんな、それぞれの昔って持っているわけで。

f:id:inakakaoru:20210211114201p:plain自分の昔って、そういえばどんなだったっけ…

たまには立ち止まって、振り返ってみるのもいいかもしれない。

昔の自分は、今の自分をなんて言うだろう、なんて。

f:id:inakakaoru:20210211095315p:plainもう昔には戻れないし、でもずっと今のままではいられないし

それなら、新しいものを作るべきだと思うから。

しっかり食べて栄養つけよう。

f:id:inakakaoru:20210211114221p:plain麺あってのスープ。スープあっての麺。それがラーメン。

なので、スープだけになったら残してしまうから。

なんて少しエラそうかな。

塩分摂取は控えめに。

f:id:inakakaoru:20210211093136p:plain「ごちそうさま」

表に出ると、目の前は小海。

やっぱり海はいい。

"疲れてると人は海に行きたくなる" なんていうけれど、たぶんその通りだと思う。

リフレッシュには、おすすめしたい。

 

午後になり課長に連絡をすると、お土産に純米酒『きたやつカップ』を買ってこいと言われた。

だが、どこに行けば買えるのか、よく分からない。

面倒くさいので、コンビニで『ふなぐち菊水』を買って帰ることになるだろう。きっと。

 

f:id:inakakaoru:20210211114728p:plainまた出勤前に海に行きたくなったら、今度は小海ではない海もいいな。

その時もやっぱり、着いてから課長に

「海にいます」

と電話をするだろう。

f:id:inakakaoru:20210211114632p:plain「今度はバイクで」

なんて。